県庁から沖縄本島は見えるが、離島は見えない。そんな単純な事実を今さらながら思い知らされるのは、県と離島住民の意識が「ずれまくって」いるからだ◆離島からの急患輸送に使われる石垣市のヘリポートが使用困難になり、八重山広域市町村圏事務組合議会が「従来通り、八重山病院周辺で新ヘリポート整備を」と県に要請。だが県は、市にげたを預けるような回答に終始した。住民からは「離島軽視だ」と批判が上がり、県議会でも八重山の2県議が追及◆これを受け20日には急きょ、池田竹州知事公室長が市役所を訪れ、県農業研究センター石垣支所周辺の県有地などを整備地として調査する方針を示した。関係者は「県も、ようやく事の重要性を認識したようだ」と語る◆この日は宮城力企画部長も市役所などを訪れ、9月末に八重山で起きた大規模通信障害で謝罪と再発防止策の説明に回った。県委託業者が中継ケーブルを切断した事故が一因だったが、県から地元には連絡なし。市議会が県の責任を指摘する意見書を可決し、県はようやく自らの責任を認めた◆離島振興の先頭に立つべき玉城デニー知事の姿が、当の離島からはどうも見えない。知事が首里城再建に示すほどの熱意が、離島に注がれていれば…と想像せずにはおれない。