人口約700人の竹富町小浜島で、島出身者同士の夫婦が30年ぶりに誕生。黒島亨太さん(27)と奈織(なお)さん(23)夫妻が21日、小浜公民館で結婚披露宴を開いた。30年前、奈織さんの父で町議の大久研一さんに続き、2代連続で島出身者同士の結婚。披露宴には親戚や同級生約330人が出席し、2人を盛大に祝福した。
2人は青年会活動を通して知り合い、2年の交際を経てゴールイン。既に4カ月の長男・晃幸(てるゆき)君がいる。お互いの好きなところを、亨太さんは「明るくてかわいい」、奈織さんは「優しくて面白くて一緒にいて楽しい。けんかをしても笑いに変えてくれる」と話す。2人は晃幸君を抱っこして披露宴に臨んだ。
「周りの先輩後輩の協力がないと(結婚式は)できない」と亨太さん。奈織さんは「島のみんなの前で結婚式できてうれしい」と喜んだ。
大久さんは「島が大好きな二人。互いを信頼し、温かい家庭を築いてほしい」と祝福した。
新郎の同級生・金城嗣顕(つぐてる)さんは「公民館の結婚式が徐々に離島から広まっていってほしい。末永くお幸せに」と笑顔を見せた。
黒島夫婦は「公民館なのにホテルみたいな結婚式」をテーマに披露宴を実施。後輩たちに公民館で行う結婚式のロールモデルを見せようと、ホテルと変わらぬおしゃれな装飾を施した。地元の人によると、昔は公民館での結婚式は珍しくなかったという。
黒島夫妻は祖父母や親戚なども披露宴に出席しやすいよう、会場に2018年に新築された小浜島公民館を選んだ。
披露宴には西大舛竹富町長も参加。「公民館で島出身の二人が結婚式。感無量」とあいさつした。
結婚式の飾り付けはウエディングプロデューサー野村君代さんらが行い、小浜島青年会(松竹祐太会長)がスタッフとして会場のサポートを行った。