菅義偉官房長官は21日、那覇市を訪れ、火災で正殿などが焼失した首里城を視察した。終了後、観光客減への対策として、火災前に実施していた城壁のライトアップを同日から再開する方針を記者団に表明。プロジェクションマッピングを活用した観光振興策を年度内に始める意向も示した。「被害の大きさを実感した。復元へ全力を尽くす」と強調した。
来年春の大型連休までに、世界遺産に登録されている正殿地下の遺構の一般公開を始める考えも明らかにした。視察では、玉城デニー知事らから、焼失の状況と復元する際の課題を巡り説明を受けた。菅氏は復元に向けた関係閣僚会議の議長を務めており、今後の取り組みの参考にする。政府は来年3月までに具体的な工程表を策定する方針だ。
視察後、菅氏は米軍普天間飛行場がある宜野湾市の松川正則市長らと那覇市内で面会。普天間飛行場の危険性除去のため、名護市辺野古への移設を促進するよう求める意見書を受け取った。
その後、名護市で渡具知武豊市長ら県北部12市町村長と会い「できることは全て、目に見える形でやる」と述べ、基地負担軽減や観光振興に全力を挙げる考えを伝えた。
会談後、辺野古の埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤を改良工事する設計変更を県に申請する時期に関し「確たることを言うのは困難だ。できるだけ早期にすべく検討している」と記者団に語った。
22日に帰京する。