八重山農林高校郷土芸能部(新城愛結部長、部員28人)が22日午後、全国高等学校総合文化祭「2019さが総文」や国立劇場での優秀校東京公演に出場できたことに対して家族、教師、地域住民などの支援者への恩返しの意を表し、3年生の卒業公演も兼ねた「令和元年~感謝の夕べ~公演」を大川公民館で開いた。会場には保護者や市民ら約200人が訪れ、部員らの心意気と3年生一人ひとりの感謝の気持ちを受け取った。
企画・運営も全て部員らで行なった同公演では、赤馬節、繁昌節、稲摺り節、六調節などの演目が披露。「男若衆六人口説」では男子部員全6人の全国大会での心意気などを作詞した口説で魅せ、会場からは大きな声援が起った。
終盤、3年生9人が1人ずつ舞台上で部活動を振り返り、卒業後の進路や抱負、感謝の気持ちを伝えた。
新城部長は「数え切れないほどの貴重な経験をした。部長としてたくさん悩み、自分のことが嫌いになる時も。でも地域の方、仲間、先生方、家族が背中を押してくれた。可愛い後輩たちの活躍を楽しみに応援していきたい」と涙をこらえながら話した。
舞台スクリーンでの思い出のスライドショーや、同校34期の半嶺重行さん手作りの、稲摺り節で使用される精米を収める道具「ガイズ」の贈呈もあった。
山城聡校長は「部員らは『結』の心を大切にしてこれからも励んでいく」、野原佳人保護者会長は「子どもたちは地域とつながり、島の文化を気持ちとして学んでいる。来年も全国、皆さんに大きな支援を」と呼び掛けた。
同部は「さが総文」では郷土芸能部門で、同校で10年ぶり、県勢で4年ぶりとなる優秀賞(文化庁長官賞)を受賞。
来年8月に行われる第44回全国高等学校総合文化祭「2020こうち総文」の県代表に選ばれており、2年連続14回目の出場となる。