【視点】IR事件 沖縄進出望んだ中国企業

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業への参入に絡む収賄容疑で衆院議員の秋元司容疑者が逮捕された。贈賄側とされた中国企業「500ドットコム」が2017年8月に那覇市で開いたIRに関するシンポジウムが両者の接点になったとの報道もあり、沖縄も事件と無関係ではない。
 IRは外国人観光客誘致に有効な成長戦略の一環とされ、大阪府、大阪市が運営事業者の誘致に向けて全国初となる公募手続きを開始。横浜市、和歌山県、長崎市も誘致を表明しているほか、東京都や愛知県も誘致を検討している。この事件がIRのイメージダウンを招くとすれば残念で、IRの失地回復には、早期の真相解明が欠かせない。
 那覇市で開かれたシンポジウムは「IRと沖縄観光の未来」をテーマに、秋元容疑者、500ドットコム最高経営責任者(CEО)の潘正明氏のほか、大学教授らがパネリストとして参加していた。
 秋元容疑者は「まだ真の意味でIRが理解されていない」として多くの国民にIRの意義を訴えた。沖縄への誘致については「県民の過半数が賛成という雰囲気にならないと厳しい」と指摘していた。
 潘CEОは、沖縄に1500億円から3000億円の投資を計画していることを明かし、沖縄進出に強い意欲を示した。「沖縄に統合型リゾートができれば、アジア全域から何百万人もの観光客を引き寄せることができる」とビザの手続き簡素化などを求めた。

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