令和初の正月に向け、石垣市の臨済宗妙心寺派南海山桃林寺(小林昌道住職)では29日午後、「家内安全・商売繁昌・交通安全」の熊手、「開運招福」の破魔矢など正月用縁起物の仕分け作業が本堂で行われた。高校生アルバイト10人が手伝い、初詣に向けた準備を着々と進めた。
今年は新しいお守りとして、車やバイクに貼る「交通安全ステッカー」がある。車内用の蓄光ステッカーと車体用の反射ステッカーが1枚ずつセットになっている。
住職の妻、小林千寿子さんは「全国的にお守りが大きくなっていると聞くが、桃林寺もそう。求められる個数も年々増加している」と話した。
高校生らは仕分け作業で、同寺で並べるものと桃林寺観音堂でのものとに縁起物を分類し、収めたビニール袋や段ボール箱に「桃」「観」との文字をマジックで記した。
八重山商工3年生の井上優哉君(18)と浦﨑佑剛(ゆうごう)君(18)は無心に作業を進めた。
取材に対し「初めての手伝いだが、こんな裏側だったとは」驚いた様子。来年に向け井上君は「卒業するから最後まで楽しんでいきたい」、浦﨑君は「卒業して島を出る。新生活を頑張りたい」と話した。
小林住職(61)は「今年は令和となり、心新たに迎えた。良いことも悲しいこともたくさんあったがそれはそれとして、みんなが和み、仲の良い一年となり、心新たに過ごせるような年に」と願った。
縁起物は祈祷を受けた後、同寺では31日の夜から手に取ることができる。