【視点】尖閣問題、日本の試金石に

 日本の人口減少や経済的停滞が続く中、日中関係のバランスは大きく中国優位に傾いている。関係改善を口にしながら、尖閣周辺への侵入を止めない中国、それに対して実効性ある対策を打てない日本の姿は、その最たるものだ。今後もこうした状況が続くことは確実で、八重山住民にとって、中国の脅威は増大する一方ということになるだろう。
 日本によほどの決意がなければ、10年後、20年後という長いスパンで見た場合、八重山近海が中国の海と化す可能性も高い。そうなれば住民の安全保障は危機的な状況に陥る。国が何も手を打たないという選択肢は考えられず、早期に石垣島への自衛隊配備が求められるのは当然だ。
 昨年12月の石垣市議会では一時、与党内で習主席の国賓訪日に反対する意見書の提出が検討されたが、結局見送られた。習氏の国賓訪日は既に決定事項であることが大きな理由だ。だが中国公船の領海侵入が頻発している状況での国賓待遇は、少なくとも国民がイメージする正常な訪日ではない。
 中国メディアでは近年、貿易問題で対立する米国批判の論調が多く、対日批判はめっきり減った。しかし中国側の言動を見ていると、日本はそもそも、米国や西欧諸国のような「同格」の国とみなされているのが疑問が残る。少なくとも中国の意識の中では、日本をはじめアジア諸国は既に「格下」とする中華思想が露骨になっているのではないか。
 日本外交は「対米従属」だと揶揄されることがあるが、このままだとアジアで、米国の戦略に関係しない部分に関しては「対中従属」の時代に入ってしまうのではないか。その懸念が現実化した場合、中国と地理的に近い沖縄県民が最も大きな被害を受けることになるだろう。
 尖閣問題は日本、さらには沖縄にとって重大な試金石になりつつある。

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