【視点】米・イランの緊張高まる

 米国とイランの関係が一気に緊張の度を高めている。イランは8日、米軍によるイラン精鋭部隊のソレイマニ司令官殺害に報復し、イラクにある米空軍基地など2拠点を弾道ミサイルで攻撃した。
 安倍晋三首相は「さらなる事態の悪化を避けるため、あらゆる外交努力を重ねたい」と官邸で記者団に述べた。
 米国は、ソレイマニ司令官が米側などへの大規模な攻撃を計画していたと主張している。
 日本政府は、司令官殺害に関する論評を避けている。日本は紛争当事国ではなく、現時点で一方に肩入れする態度は慎むべきなのだから、政府の慎重姿勢は当然だ。ただ最終的には、同盟国である米国の立場に軸足を置かざるを得ないかも知れない。それでもギリギリまで独自の外交ルートを生かし、日本なりに平和的解決の道を模索する必要がある。
 米国は、自国が軍事力で圧倒的優位に立つ以上、イランが局地的な報復に出るにしても、本格的な開戦にまで踏み切る可能性は低いと読んでいるのだろう。仮に開戦に至った場合は、この機に乗じてイランの現体制を打倒し、懸案となっている核保有問題を一挙に解決する腹づもりかも知れない。今年の大統領選を有利に展開するための動きである可能性も否定できない。
 日本は紛争当事国ではないが、原油を中東に依存しており、中東情勢が悪化すれば、かつての石油危機が再来しかねない。

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