県は10日午後、豚コレラ(CSF)に感染した豚が新たに沖縄市内で発見されたと発表した。隣接するうるま市の養豚場と隣の養豚場に続き3例目の確認で、感染が拡大した。殺処分の対象は計約4800頭となった。県は来月12日ごろの終息を目指す。
県は8日に感染を確認したうるま市の養豚場から半径3キロ圏内を、豚の移動を禁じる「移動制限区域」とし、圏内の養豚場で検査をしていた。3~10キロ圏内は、豚やふんなどの圏外への搬出を禁じる「搬出制限区域」に指定している。
県の聞き取り調査によると、今回の養豚場では2809頭を飼育しており、全て殺処分する。アグーなどのブランド種はいないという。県は8日判明分の殺処分対象を当初計1813頭としていたが、約2千頭に訂正した。豚コレラは人にはうつらず、感染した豚の肉を食べても人体に影響はない。
玉城デニー知事は県特定家畜伝染病防疫対策本部会議を県庁で開催し「発生農場10キロ圏内で感染が広がらないか確認が最優先」と述べた。ワクチン接種は周辺農場の感染状況を確認し、農家の意見も聞いて検討する。
豚コレラ感染の3例目となった農場は、最初に発生した農場の移動制限区域内にあり、8日に職員が立ち入り検査を実施。30頭を採血し、2頭から陽性反応が出ていた。県家畜衛生試験場が検体を回収して実施した遺伝子検査でも陽性だった。
沖縄市の農場では2809頭の豚を飼育しているが、県は12日までに殺処分、14日までに埋却と豚舎の清掃、洗浄、消毒を行い、防疫措置を完了させる方針。
ワクチン接種については、接種後、豚肉の国外輸出が難しくなり、商品価値に影響する可能性を懸念し、現時点で慎重な姿勢を示している。
玉城デニー知事は10日の対策本部会議で「発生した養豚場の10キロ圏内で感染が広がっていないか確認することが最優先だ」として検査する養豚場を増やす考えを示した。
沖縄市の桑江朝千夫市長は記者団に「大変残念だ。拡大しないように防疫に取り組む」と語った。