石垣市消防本部(大濵安久消防長)が12日午後、2020年の「消防出初式」を同本部で開いた。親子連れなど多くの市民らが訪れ、県内で唯一行われる消防団員によるはしご乗りや一斉着色放水を楽しんだ。また消防行政に貢献した8個人12団体が表彰された。
式典では大濵消防長が「今年が災害のない穏やかな年になるよう市民とともに祈願する」と述べ、中山義隆市長が昨年の通信障害や首里城火災、市の救急出動件数が過去20年で最多の2619件(前年比27件増)だったことに触れ、「いかなる事態にも迅速・的確に対処できるよう取り組む」と強調した。
今回、はしご乗りには消防団員10人が挑戦。最後は女性3人が約6㍍の高さから「火の用心」「家内安全」「無病息災」の3つの垂れ幕で祈念し、消防職員による救助展示訓練、「パプリカ」の曲に合わせた一斉着色放水も行われた。
アパートでの火災を未然に防いだ早期通報の功績で市長表彰となった平得航二郎さん(32)=大川=は「当たり前のことをしただけ。市民の防災意識の向上につながればうれしい」と笑顔で話した。
家族4人で見に来た森岡慎也さん(35)は八重山病院救急科医師。「離島は人・物の資源が限られており、いつも専門の科に関係なくチームワークで重症患者を診ている。今年も消防や他の病院と連携を深め、しっかりやっていきたい」と話した。
会場では女性防火クラブによる「ふるまいぜんざい」、消防車両展示コーナー、放水体験などもあった。