玉城デニー知事は16日の定例記者会見で、国が促している豚コレラ(CSF)のワクチン接種と沖縄固有種の豚「アグー」の離島への隔離について、来週、関係者や専門家で構成する県CSF防疫関係者会議を設置して検討する考えを示した。ただ、会議の議論の結果によってはワクチン接種を行わない可能性もあるとしており、県の方針は定まっていない。
会議は、県農水部長、環境部長のほか、JA、市長会、町村会、獣医師会、養豚関係者などで構成。来週早々に初会合を開く予定という。JAなどからは早期のワクチン接種を求める声が上がっているが、玉城知事は「ワクチン接種プログラム」の策定に向け「部内で検討を進めるよう指示している」と述べた。「情報を共有することで的確な防疫体制が取れる。決して会議の結論待ちという状況ではない」と、迅速対応を目指す考えを強調した。
アグーの隔離などについては「どういう手立てを講じるべきか、慎重に関係者会議で話をしてほしい」と述べるにとどめた。
県が進める防疫対策については、車両、靴底の消毒徹底、野生動物の侵入防止対策、畜舎周辺、農場外縁部の消毒などの飼養衛生管理基準の徹底を挙げ「農家の防疫意識を高めてほしい」と呼び掛けた。