石垣市婦人連合会(石垣敦子会長)が18日午後、市新川出身で、女性初の関東沖縄IT協議会会長として活躍している今井恒子氏の講演会を市民会館中ホールで開いた。システム開発やウェブ製作などを行う㈱フロッサの代表取締役でもある今井氏は、「原点は父と母の生きる姿に」と題し、起業の経緯や書籍出版の経緯、子育てでの失敗談や現在の活動などの原点にある、両親の性質や夢の持ち方について話した。
14歳の時、ダイナマイト漁法で父親が逮捕され、母親は3つの仕事を掛け持ちしながら子育てに奮闘。「母はいつも笑顔で苦労をおくびにも出さなかった。お客さんに感謝の気持ちをもっていた」と強調。「父は泣き言を言わず、打たれ強く、ユーモアがあり、即実行の人だった」として、「原点は父と母の生きる姿だった」と話した。
父親の逮捕に関して、「(違法漁法をしていた)ウミンチュたちも悪いが生活のためだった。ダイナマイトは戦争の落とし物ではないのか、と14歳の私は思った。そのことを書こうと決めた」として、40年後に出版した自身の書籍の経緯を紹介。「夢は思い続けること、伝えることが大切だ」と呼び掛けた。
会員や郡民ら約230人が来場。会場で販売した今井氏の書籍の売上金は今井氏の母校である石垣中学校の創立70周年記念事業期成会に全額寄付されるという。