陸上自衛隊第15旅団(旅団長・中村裕亮陸将補)は20日、県の要請で8日から開始した豚コレラ(CSF)防疫支援の災害派遣任務を終了した。中村旅団長が県庁に玉城デニー知事を訪ね、撤収を報告した。玉城知事は「深く感謝申し上げます」と述べた。
陸自第15旅団の隷下部隊である第15高射特科連隊を中心に派遣部隊を構成し、20日までの13日間、延べ人数6500人の隊員が投入された。岐阜県と愛知県で発生した豚コレラで活動した部隊が作成した教訓資料を活用した。
作業は豚の誘導や、獣医が行う屠殺の補助などで、過酷な現場に涙を流した隊員もいた。部隊では「任務解除ミーティング」と呼ぶ精神面のケアを目的とした会議も実施した。
派遣部隊の指揮官・内村直樹一佐は「無事に任務を完遂でき、県民の安全と安心に寄与で来た」と述べた。隊員の精神的ケアについては「継続的に状態の確認や処置を継続していく」とした。
現場で活動した隊員のうち、沖縄出身の安田翔一1曹は「県民から差し入れがあり、継続的に任務が遂行できた」と感謝。安慶名光明1曹は「若い隊員もおり、緊張していたが、団結して乗り切った」と振り返った。
野上光3曹は「殺処分の現場で豚と対面し、育てた方を思うと、涙が出てしまった」と話した。
2歳の子を持つ母親でもある松田みずき陸士長は「(殺処分で)最初に対面した豚は妊娠していた。一人の母親として、すごく心が痛かった」と沈痛な面持ちを見せた。