20日の施政方針演説で、安倍晋三首相が東京五輪・パラリンピックに参加する選手団のホストタウンを「岩手県野田村は台湾」と紹介すると、議場内から大きな歓声と拍手が起こった。これを受け、台湾の蔡英文総統は21日のツイッターに「『台湾』という言葉が日本の国会で大きな拍手を浴びたのは実に嬉(うれ)しいことです!」と日本語で書き込んだ。
蔡総統は、たびたびツイッターに日本語で投稿しており、日本重視の姿勢をアピールしている。
ツイッターでは「20以上の自治体が台湾選手のホストタウンを希望していたと聞いています。我々も日本にてトレーニングし、競技に参加できるのを楽しみにしています!頑張ろう!東京オリパラ!」とも呼び掛けた。
安倍首相は演説で、東日本大震災の被災地が、各国の支援に対する感謝の意味を込めて東京五輪・パラリンピックのホストタウンに名乗り出たことを紹介し「岩手県野田村は台湾、福島県二本松市はクウェートなど、二十九の被災自治体が、支援を寄せてくれた人々との交流を深めます」と述べた。
「一つの中国」の原則を掲げる中国は、台湾に対する政治的圧力を強めており、日本国内には台湾を支持し、習近平国家主席の国賓来日に反発する声もある。演説に対する拍手は、国内のこうした空気を反映している可能性もある。