【金波銀波】石垣市内の小売店で…

 石垣市内の小売店で27日、中国語を話す観光客の集団が、マスクを置いた商品棚の前にむらがり、品定めしているのを見かけた。八重山住民にとって新型肺炎の脅威はまだ遠い話のようだが、外国客にとっては、既に身近で切実な問題になっている◆八重山でかつて、SARS(サーズ)や新型インフルエンザの侵入防止が騒がれたのも、ひと昔前の話になってしまった。当時は幸い、ウイルスの侵入はなかったが、現在は当時に比べ、格段に観光客数が増えた。リスクは明らかに高まっている◆伝染病が流行すると旅行を控える傾向が強まるし、万一、観光地で患者の発生が確認されれば、甚大な風評被害が起こる。観光を経済の柱に据え、経済を成長させてきた沖縄にとって、容易ならぬ事態が近づいている。今年は東京五輪・パラリンピックがあり、外国客増の期待は高かったが、もう浮かれている状況ではない◆政府は水際対策の強化を訴えて検疫を強化し、県はインフルエンザと同様の予防対策を県民に呼び掛けた。だが、官民ともに今一つ危機感が感じられない◆「傘をさせば雨も降らない」という言葉がある。十分に備えることで、危機は乗り切れる。かえって、打たれ強い沖縄観光を実現する絶好のチャンスになるかも知れない。

関連記事

八重山日報公式Twitter

ページ上部へ戻る