昨年77歳で他界した石垣市出身の書道家・故豊平峰雲さん(本名・信則)(1942年~2019年)の同窓生で、書を所有する松本清一さんが4日午後、経営する那覇市の居酒屋「かーらやま」で石垣市の中山義隆市長に作品6点を寄贈した。
「かーらやま」には豊平さんと、先輩で市出身のジャーナリスト、三木健さんがよく来店していたという。書6点は豊平さんが店内で書いた。
三木さんによると、豊平さんが酒を飲んだ際、書を頼まれ、快く引き受けたという。「豊平さんも酒が入ると良い出来になるそうで、満足していた。友情のあかしとして松本さんがもらった」と振り返った。
書は店内に飾られていたが、松本さんの妻・初さんが市に寄贈を打診。松本さんは病気療養中のため、この日、初さんと三木さんが出席して寄贈式が開かれた。
中山市長は「大変すばらしい書だ。新庁舎も含めて今後も市の施設などに展示し、市民の皆さんに鑑賞してもらいたい」と話した。
豊平さんは、県書作家協会木筆會の会長などを歴任した沖縄を代表する書家の一人。県庁の第二応接室にも書が展示されている。
「かーらやま」は道路拡張工事により、立ち退きを予定しているという。