【視点】尖閣海域の挑発、友好に暗雲

 中国の行動から明らかになるのは、日中関係や米中関係とは切り離して、是が非でも尖閣を奪取しようとする強い意志だ。この先、日本がいかに中国に対して融和的な態度に出ても、中国共産党政権が続く限り、尖閣奪取に向けた侵入行為は未来永劫続くということである。日本は少なくとも50年、100年のスパンで神経戦に備える必要がある。
 ただ、日中の国力バランスは軍事力でも、経済力でも中国優位に大きく傾いており、このまま長期戦が続けば、日本側の疲弊は避けられない。尖閣には日米安保条約が適用されるが、日米が予想しない突発的な状況が起きる可能性もある。中国はまさにその隙を狙い、尖閣の奪取をもくろんでいるのだろう。
 尖閣を中国に奪取されれば、南シナ海の例から予想される通り、石垣島から約170㌔の場所に中国の巨大な軍事基地が建設されるかも知れない。誰よりも八重山住民にとって直接的な脅威となるはずだ。
 石垣市は、毎年1月14日に「尖閣諸島開拓の日」式典を開催しており、地元住民には確固たる領有権の存在を世界に発信しようとする機運がある。中国に対する備えとなる防衛省の陸上自衛隊配備計画も着実に進めてほしい。

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