新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が県内でも確認され、高校入試を控える学校現場に緊張感が走っている。学校側は生徒に体調管理とマスクの着用を促しているが、離島の石垣市でもマスクは品薄状態。インフルエンザも流行しており受験生たちは不安を抱える。
「インフルエンザもコロナウイルスも両方心配」。高校受験を控えたある生徒がこぼした。
勉強時間は平日で1日7時間、土日には10時間。入試は3月4日から2日間行われる。本番に向け体調管理が何より大事で、毎日マスクを着用しているが、現在、家にあるものは残り少ない。
新型肺炎の感染拡大も連日報道され、懸念が募る。街中でスーツケースを持った外国人観光客を見ると「あんまり近寄りたくないと思ってしまう」と明かした。
市内の小売店では、どこもマスクは完売状態。購買者には台湾や香港などの外国人が目立つという。薬局関係者は「春節の時期に来島した中国人観光客がマスクを爆買いしていた」と振り返った。
薬局でマスクを買っていた香港の観光客は「地元ではどこもマスクが売り切れで買えないから、日本で買っている」と話した。
コンビニ関係者によると、マスクが入荷してもその日のうちに売り切れてしまうという。
一方、インフルエンザの流行も受験生には脅威だ。本格的な流行は1月末から始まり、八重山保健所は16日現在、警報を発表している。
ある学校関係者が受験生にマスク着用を呼び掛けると「先生、もうマスクないよ」と言われたという。
「受験を控えた3年生には体調を崩してほしくないが、スーパーや薬局に行ってもマスクは売り切れ。入荷するまで待つしかない」とぼやく。
校内には各所にアルコール消毒液を設置。授業でパソコンを使用するたび、キーボードをアルコール消毒させるなど対策を徹底しているが、マスクは全員に配るわけもいかず、「生徒には、各自で用意してもらうしかない」とため息をついた。(渡部節子)