【里永記者の「これ聞いていいですか?」】前川喜平元文科事務次官 上

教育講演会に臨む前川氏=13日夜、石垣市民会館大ホール

 「フリムン」―。沖縄方言で「愚か者」という意味で使われることがある言葉だが、「フリムン」と呼ばれることも辞さず、ひたむきに「これ、聞いていいですか?」と取材対象に迫るのが私、八重山日報の里永雄一朗だ。フリムン里永、第3弾となる今回は、まさに「異例」の事態となった。

■あれもこれも聞きたいが… 取材依頼、その結果は
 石垣島で「教育講演会」があり、八重山日報社も堂々と後援に名を連ねている。なんと講演者は、東大卒で、文部科学事務次官まで上り詰めたあの前川喜平氏だという。
 すでにお忘れになられた諸氏も少なくないだろうが、前川氏と言えば、文科省の組織的天下り斡旋(あっせん)に深く関与したことで国家公務員法違反となり、2017年に引責辞任した人物だ。
 事務次官は省内での事務方のトップで各部局や機関の事務を監督する、一般職国家公務員の最高位を占める。その責任ある立場にいた人の座右の銘が「面従腹背」(めんじゅうふくはい)だったことでも話題になった。
 それだけではない。新宿にある「出会い系バー」の常連だったことも報じられた。
 その事実が露見し、本人も通っていたことを認め、「女性の貧困調査だった」と説明した―「現職の校長や教頭が常連だったら、そんな言い訳が通用する?」「ひとり親世帯の調査などもできただろうに、なぜ出会い系バー?」「男性の調査はしないの?」「そもそも常連にまでなる理由は?」という国民からの批判の声もある。
 また、実名でのツイッターを始めた際には、朝日新聞の取材(デジタル版、2019年6月26日)に「ツイッターでも正々堂々とやる」と話したという。現職の時には上に物申すこともせず「面従腹背」を貫いてきた人物が〝ツイッター「でも」正々堂々〟とはどういうことだろう。
 その前川氏が石垣に来るというのだ。

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