市有地売却額4億1千万円 石垣陸自配備 21日上程、来月2日採決

用地造成工事が進む平得大俣地区の駐屯地建設予定地=2月10日午後(市議会建設土木委員会提供)

 防衛省が進める石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画で、石垣市は駐屯地建設予定地の市有地約13.6ヘクタールを売却する議案を21日開会する市議会3月定例会に上程する。18日の議会運営委員会(仲間均委員長)で確認した。売却額は約4億1770万円で、市有地の価格と、立木の損失補償額を含んでいる。議案は3月2日の本会議で採決される。
 陸自配備問題は、大詰めとなる市有地売却の段階を迎えた。市議会では陸自配備に積極的な与党が多数を占めるが、野党は反発を強めており、採決へ向けて攻防が激化しそうだ。
 駐屯地建設予定地の市有地は約23ヘクタールで、売却部分の残りは貸し付けられる。貸し付けには議会の同意は必要ない。売却額の内訳は、市有地の価格3億9700万円、立木の損失補償額約2070万円。

 市公有財産検討委員会(委員長・川満誠一副市長)が5日に売却額などを承認したことを受け、沖縄防衛局は市有地の売却と貸し付け申請を10日に行い、中山義隆市長が12日に売却を決裁した。
 貸し付けは市議会の議決後に決裁する。賃貸料の公表も議決後となる見込み。市と防衛局は議決後に売買、賃貸契約を結ぶ。
 市有地売却に伴う歳入は、3月定例会に上程される一般会計補正予算案に盛り込まれている。賃貸料収入は来年度当初予算には計上されておらず、来年度補正予算に盛り込む。
 市有地の売却議案は3月定例会の初日に上程されたあと「平得大俣地域への陸上自衛隊駐屯地配備に関する特別委員会」(長山家康委員長、10人)に付託される。議会事務局によると、審議は27日に行われる見込み。特別委員会で採決後、3月2日の本会議で長山委員長が審議の結果を報告する。
 現時点で、売却議案は与党の賛成多数で可決される可能性が高いが、与党内でも公明党が慎重姿勢を示すなど、不透明感も残る。野党は、公有財産検討委が議事録を作成していない件を取り上げて批判を強めると見られる。

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