【視点】陸自配備問題は大詰めに

 石垣市は、陸上自衛隊駐屯地の建設予定地となっている平得大俣の市有地約13.6ヘクタールの売却議案を21日開会する市議会3月定例会に上程する。陸自配備問題は議会の判断を問う大詰めの段階を迎えることになる。
 売却議案は特別委員会で審議されたあと、3月2日に採決される予定だ。防衛省は年度内に市有地を取得するスケジュールで作業を進めており、そのために余裕を持たせた日程と言える。
 市議会では陸自配備に積極的な与党が多数を占めており、可決の可能性が高いが、野党は激しく反発している。意見が大きく割れるのはやむを得ないが、将来にわたって八重山住民の安心安全を確かなものにするためにも配備は必要だ。安全保障のあり方が問われている問題だけに、市議には党派的な駆け引きに走ることなく、大局的な判断をしてほしい。

 駐屯地建設予定地は約46ヘクタールで、市有地と民有地がそれぞれ半分ずつを占める。沖縄防衛局は、民有地のうち旧ゴルフ場だった部分を既に取得し、用地造成工事を始めている。
 市有地の売却額は土地の価格と立木の損失補償額の合計で約4億1千万円であることも明らかになった。市有地約23ヘクタールのうち、売却される13.6ヘクタール以外の部分は賃貸される。市は賃貸料を継続的に得て、市民サービスに還元したい考えだ。
 防衛省は石垣市に対し、2015年に陸自配備を正式打診し、市有地の取得まで5年近くかけている。配備の是非が大きな争点になった選挙も何度も実施されており、市民向けの説明会や公開討論会も開催された。配備に至る手続きを丹念に踏んでおり、そこに瑕疵(かし)はない。

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