新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する中、鳩山由紀夫元首相が１６日、ツイッターで、中国に百万個のマスクを贈ったと報告◆「日本のマスクの流通に影響が出ることはないのでご安心ください」とも書き添えたが、日本国内でもマスク不足が深刻化する中、ネット上では「日本人より中国人を優先するのか」と批判が殺到している◆立憲民主党の蓮舫参院議員も１５日、ツイッターで新型肺炎について「『武漢熱』などと差別的な表現をする自民党議員がいる」と述べ、一部で使用されている「武漢肺炎」「武漢熱」という新型肺炎の命名が中国に対する差別という認識を示した。中国へのたび重なる忖度（そんたく）が指摘される世界保健機関（ＷＨО）と似たような思考形態なのか◆感染拡大防止に向け、中国への支援を惜しむべきではないし、中国人に対する差別も厳に慎むべきだ。しかし元首相や国会議員であるなら、まず日本国内の対策を最優先させるべきではないか。中国のマスク供給体制や、新型肺炎の名称などを心配している場合ではないだろう◆渡航者の人権に過度に配慮し、春節の大量訪日を制限しなかったことが国内の感染拡大をもたらした疑いがある。安っぽいヒューマニズムだけでは、他国はおろか自国をも救えない。