石垣市議会の「平得大俣地域への陸上自衛隊駐屯地配備に関する特別委員会」(長山家康委員長、10人)が27日、市役所で開かれ、駐屯地建設予定地の市有地を沖縄防衛局に売却する議案を審議。野党が退席する中、与党単独の全会一致で可決した。議案は3月2日の本会議でも採決され、最終的な結論が出る。
議案は平得大俣の市有地約13.6ヘクタール(9筆)を沖縄防衛局に売却する同意を議会に求める内容で、売却額は約4億1770万円。特別委は午前10時から始まったが、野党がたびたび休憩を求めたこともあり、審議は午後に及んだ。
野党は、市有地売却を決めた市公有財産検討委員会(委員長・川満誠一副市長)が現地を視察しなかったことや、議事録を作成していなかったことを問題視。「これだけの広大な面積を売買するのに、書面だけで審議して現況も確認しないのか。周辺地域の声も聞くべきだ」(宮良操氏)、「(会議の中身を)隠ぺいしているように見える」(花谷史郎氏)などと追及した。
川満副市長は、公有財産検討委での議論について「売り払いが関係法令に抵触しないことを確認した。(同委は)売り払いを政治的に判断する場ではない」と説明。情報公開条例に沿って会議録を作成しており「条例では、詳細な議事録作成までは求められていない」と反論した。各課の担当職員が現地を確認していることも報告した。
野党側は「この会議録は信じられない」(花谷氏)などと納得せず、日を改めて特別委による現地調査を実施するよう要求したが、審議続行を求める与党側は拒否した。
特別委は長山委員長を除き、与党5人、野党4人。長山委員長が現地視察の是非について採決しようとしたが、数で劣る野党側は「慎重審議ができない。断固抗議して退席する」(宮良氏)と一斉に席を立った。
野党不在の中で審議は進み、長山委員長は与党単独での議案採決に踏み切った。
市有地を売却しないよう求める「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」の請願も特別委に付託されており、閉会中の継続審議とすることが決まった。