陸上自衛隊の駐屯地建設予定地となっている石垣市平得大俣地区の市有地売却を巡り、市議会の与党会派「未来」の箕底用一氏、後上里厚司氏が2月29日、与党控室で記者会見し、3月2日に市議会で行われる売却議案の採決で、反対に回る可能性を示唆した。箕底氏は、市有地処分案について事前に会派側と調整がなかったと指摘し「(中山義隆市長に)『与党が多いから』というおごりが出ているのではないか」と中山市長の姿勢を疑問視した。
市は防衛省に市有地の過半を売却し、残りを貸し付ける方針を示しているが、箕底氏は「新聞報道で初めて知った。非常に残念だ。市長が事前に根回しし、考え方を未来会派に伝えなかったことに疑問符をつけている」と述べ、中山市長から事前の説明がなかったことを批判。
市有地処分に関する会派の考えとしては「一部を貸し付けするのは紛争の種になりかねない。売るか、貸すか、どちらかにすべきだ」と主張した。市と防衛省に対し、方針変更を要求したが、難色を示されたという。
売却議案への対応に関しては賛否は表明しなかったが、「議場で意思を示す」(後上里氏)と述べ、2氏とも採決で退席しないことを明言した。
陸自配備計画には2氏とも「安全保障上は必要不可欠」(箕底氏)などと賛成の意向を示した。一方で、今議会で売却議案が否決されても、将来的に売却できれば配備には支障ないとの見方を示した。