石垣島への陸上自衛隊配備計画で、石垣市議会(平良秀之議長)は2日の本会議で、駐屯地建設予定地となっている平得大俣地区の市有地を売却する議案を採決し、与党の賛成多数で可決した。議決を受け、市は年度内に市有地の売買契約と、一部の賃貸契約を締結する方針。沖縄防衛局は駐屯地建設予定地のうち9割を取得することになり、配備計画が加速する。野党は猛反発しており、配備に反対する市民団体と連携し、中山義隆市長のリコール運動を目指す方針。
駐屯地建設予定地の市有地は22.4ヘクタール。市はこのうち約13.6平方メートルを売却し、残りの約8.8ヘクタールを貸し付ける計画。売却額は4億1770万円、賃貸料は年間約855万円となっている。貸付期間を5年以内として満期ごとに更新する方向で調整している。
沖縄防衛局によると、この日の議決の結果、駐屯地予定地約47ヘクタールのうち、民有地、市有地合わせて約43ヘクタールが売買または賃貸で取得済みか、取得見込みとなった。
この日の本会議では、売却議案を可決した特別委員会の長山家康委員長が審議結果を報告した。採決に先立って行われた討論で、与党は「自衛隊配備が市民の安心安全を守ることにつながる」、野党は「民意を問わずに市有地を処分することは反対だ」などと訴えた。
採決の結果、賛成は与党の11人、反対は野党の9人で、公明の石垣達也氏は退席した。態度を保留していた与党会派「未来」の箕底用一氏、後上里厚司氏は賛成に回った。
市有地売却による歳入などを盛り込んだ一般会計補正予算案も、同様に与党の賛成多数で可決された。
野党は本会議後の記者会見で、最終本会議での市長不信任案提出と、市民団体と連携した市長リコール運動の展開を明言した。
この日の本会議で、野党は与党優位の状況下での採決に抵抗。前津究氏が「市民の信を問う」として動議で議会解散決議案を提出したが、この日の審議日程に加えることは議会運営委員会で否決された。最終本会議で改めて動議が提出される見通し。