「恥を知れ」「言いがかりだ」 石垣市議会

 「恥を知れ」「言いがかりだ」―。石垣島への陸上自衛隊配備計画を巡り、2日の石垣市議会では、市有地売却で配備を加速させたい与党と、阻止を目指す野党が激論を繰り広げた。
市有地売却議案に先立って行われた討論で、駐屯地建設予定地住民でもある野党の花谷史郎氏は「住民ががいかに不安を抱えているか、少しでも寄り添ってくれるのではないかという望みを持って、私は議会に送り出された」と述べ、市有地売却が可決されようとしている状況に「住民にどう説明すればいいのか」と涙ながらに反対を訴えた。
 野党の内原英聡氏は、市有地売却を決めた公有財産検討委員会が議事録を作成していないことや、旧民有地で進む用地造成工事の騒音を指摘。質問中、与党席からため息が漏れたことに気づき「恥を知れ」と怒鳴りつけた。

 反対派の市民が詰め掛けた傍聴席は大きな拍手が起きたが、怒った与党議員からは「発言を撤回しろ」と声が上がった。
 野党の宮良操氏は、公有財産検討委のあり方について「情報公開条例や自治基本条例に抵触する。このような前例をつくると、隠蔽(いんぺい)政治に発展する」と批判。前津究氏は「市民に説明責任を果たすべきだ」と迫った。
 与党の我喜屋隆次氏は、公有財産検討委員会が会議録を作成していることなどを挙げ「検討委はしっかり機能した」と指摘。野党の批判は「言いがかりだ」と反論した。
 与党の仲間均氏は「中国は、尖閣諸島の奪取をもくろんでいる。海上保安庁だけで国防は不可能で、自衛隊配備が市民の安心安全を守ることにつながる」と主張。
 与党の友寄永三氏は「野党は地域の声を聞けというが(周辺住民も)賛成する人は二けたはいる。中山義隆市長は賛成、反対の声を両方聞いて、しっかりと判断している」と強調した。
 市有地売却の歳入を盛り込んだ一般会計補正予算案の採決でも、与野党が応酬。与党の石垣亨氏は「自衛隊は厳正な規律を保持し、黙々とひたむきに任務をこなしている。多くの市民が、一刻も早く拠点を整備してほしいと望んでいる」と配備推進を要望した。
 野党の長浜信夫氏は「自衛隊を否定しているわけではない。市有地を売却するにあたり、環境問題も含めて、この場所で本当にいいのか問い掛けてきた」と市の姿勢を疑問視した。
 野党は、駐屯地建設予定地の旧ゴルフ場所有者だった友寄永三氏が利害関係者に当たるとして、採決に加わらないよう要求。平良秀之議長は関係機関に確認の上、友寄氏が採決に加わるのは問題ないとした。

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