「大器晩成」を目指す人には朗報かも知れない。米大統領選で、民主党の候補者指名争いはバイデン前副大統領(77)、サンダース上院議員(78)にほぼ絞られ、11月の本選でトランプ大統領(73)と対決する。超大国の次代のリーダーは、誰が勝っても70代の高齢者となる◆日本の首相もようやく最近は50代が珍しくなくなったが、米国は前大統領のオバマ氏が就任時47歳だったから、日本に比べると若者にも高齢者にも機会の平等が進んでいる。米国の懐の深さだろう◆それにしても驚かされるのは、年齢を感じさせないトランプ大統領のパワフルさだ。ぴんと胸を張り、対立候補を意気揚々とこき下ろす演説を見ていると、日本の70代とはけたが違う。なるほど、30代や40代の若造候補者では、とてもこの人には太刀打ちできないと思わせてしまう◆かつては「人生50年」と言われ、明治維新で活躍した志士たちも青壮年だったが、これからの日本は少子化と超高齢化の社会であり、若者などは当てにできない時代だ◆米大統領選の候補者たちのような「若い高齢者」の活躍がなければ、日本は沈んでしまう。世のおじいちゃん、おばあちゃんたちが「定年後はのんびり」などと甘えることなく「孫の未来のために」と奮起する姿を見たい。