与那国町議会(前西原武三議長)3月定例会が10日、同議場で開会し、外間守吉与那国町長が施政方針演説を行った。2011年に策定した第4次与那国町総合計画の最終年度となり、重点実施施策の成果、課題を検証し「第5次与那国町総合計画」の基本計画策定に向けた決意を現し、町政運営施策について「町民の福祉の向上と与那国町の持続的発展のため、全力をあげて行財政運営のかじ取り役を全うしていく」と決意を述べた。
昨年事業費が高騰し、見直しが求められた新庁舎建設については「議会及び町民に理解が得られるような新庁舎建設を目指す」とし「山積した課題を解決し、着工に向けて取り組みを強化したい」と強調。
災害対策については昨年5月の記録的な豪雨災害を踏まえ「自衛隊との連携したより実践的な訓練を行うことにより、地域の防災力を高め、安心安全な災害に強い島作りをめざす」と抱負を述べた。
また、19年に4万人を突破した観光の振興計画については全面改定を実施する意向で「住民との軋轢(あつれき)が生じないよう節度ある計画の策定を進めたい」と述べ、観光客等の誘客と滞在時間長期化の促進に努める考えを示した。
教育については新たに始まるプログラミング教育などICTを活用した教育環境の整備、すべての子どもに学びを保障する「無料町営学習塾」の開講、文化やスポーツなどの島外派遣助成についても力を入れるとした。
文化面でも日本初となる高解像度海底地形図を活用し、世界に向けた発信の強化や、「どぅなんぬむい辞典」の活用にも取り組む。
福祉政策としては超高齢化社会を鑑み、有償ボランティア等の人材育成、認知症サポーター要請講座等の実施など、20年度が作成年度の「第8期介護保険事業計画」に向けた事業計画に着手する。
定住促進策として、今年度は久部良第一団地実施計画と祖納第一団地新築工事も実施したい考え。
20年度の一般会計予算案は40億4470万円で、6つの特別会計を含めた総額48億4125万円が上程された。
会期は19日までで、11~16日は議案審議。17日からは一般質問で19日に最終本会議が開かれる。