13日の石垣市議会一般質問では、野党の新垣重雄氏と大浜明彦氏が石垣島への陸上自衛隊配備計画を取り上げ、環境保全などを訴えて市当局を追及した。
新垣氏は、自衛隊配備が周辺環境に与える影響を危ぐ。過去に島で展開された環境保全運動を引き合いに「(歴代市長に)自然環境を保全する高尚な理念が受け継がれてきたが、残念ながら中山義隆市長がぶった切った印象がある」と批判した。
中山市長は「自然を守りながら、どういった形で(開発を)やっていくか、バランスも考えながら取り組むべきだ。議員の印象は当たらない」と反論した。
カンムリワシの保全に関しては「カンムリワシは駐屯地建設で絶滅するという話ではなく、さまざまな地域で繁殖している。駐屯地で営巣しなくなるかは調査しないといけないが、島全体として、これからもしっかりと保全したい」と述べた。
新垣氏は、市有地売却に賛成した与党に対し「これだけ大急ぎで議論して売ることを決めた皆さん。10年先、50年先、子々孫々に胸を張って、これは我々が賛成した自衛隊基地だと胸を張って言えるのか」と訴えた。
また、市有地の売却議案が可決されたあとに一般質問を行うことについて「このような議事運営が行われるなら、ここは本当に言論の府なのか。議員の質問権がはく奪されたような感想を持っている」と憤った。
大濱氏は、旧給食センターの敷地が「行政財産」から賃貸などが可能な「普通財産」に移管されたことについて「自衛隊の宿舎を造るためかという疑念がある」とただした。
知念永一郎総務部長は「跡地は給食センター移転後、普通財産への移管をするよう手続きをしてきたが、駐車場として契約していたので、期間満了後に返還してもらい、普通財産に移管した」と経緯を説明するにとどめた。
旧ゴルフ場が市有地に一部越境して営業していた問題では、旧所有者に対する不当利得の請求額約50万円が過少だとして「損害の賠償をさせなくてはならない」などと疑問視した。
山田善博農水部長は「相手側も、こちらも(無断使用を)知らず、測量して初めて生じた事案だ。賠償とかいうのは当てはまらない」と述べ、旧所有者側に悪意はなかったとの認識を示した。