「米俳優のトム・ハンクスさん夫妻感染」のニュースは「ついに著名人にも感染者が」と世界を驚かせた。猛威を振るう新型コロナウイルス。各国では閣僚の感染者も続出し、カナダ、スペインでは首相の妻も感染◆ブラジル大統領も一時、感染と報じられ、直前にトランプ米大統領と会談していたことから、世界が騒然となった。幸い、両大統領とも検査は陰性だった◆WHОのテドロス事務局長は「今や欧州がパンデミック(世界的大流行)の中心地となった」と言明。欧米の感染者が爆発的に増加する中、各国は移動制限や経済活動の休止などを打ち出し、その国ならではの封じ込めの手法が注目を集めている◆当初「対策が後手に回っている」と集中砲火を浴びた安倍政権。しかし今になって見ると国内の感染状況は中国、韓国や欧州に比べるとまだましで、批判はやや沈静化したようだ。政府の対策というより、日本人の高い衛生意識が背景にあるのだろうか。政府に先駆けて対策に取り組んだ北海道、和歌山などの知事に対する評価も高まっている◆玉城デニー知事は100億円規模の補正予算編成を表明した。どこまで県民の不安を払拭できるか。危機は深まっているが、見方を変えればリーダーが真価を発揮できるチャンスでもある。