【視点】離島住民にもしのび寄る「自殺」問題

 石垣市では2013年から5年間で53人が自殺しており、年平均の自殺者数は10人を超えている。思い悩む人に対し、自殺以外の選択肢があることをどう伝え、生き続ける力を与えるのか。3月は国の自殺対策強化月間となっており、この問題を掘り下げて考える機会にしたい。
 警察庁によると、全国の2019年の自殺者数は2万169人で、統計を開始した1978年以来最少だった。原因・動機を特定できたのは1万4922人で、理由で最も多かったのは健康問題で9861人。次いで経済・生活問題の3395人、家庭問題の3039人となった。
 現在「自殺対策計画」の策定作業を進めている石垣市は、昨年12月から今年1月にかけ、市民2000人を対象に自殺に関する意識調査を実施した。

 「自殺したいと考えたことがある」人は29.4%で、2016年の国、14年の県の調査と比較すると、国より5.8ポイント、県より13.4ポイント高いという意外な結果になった。
 石垣や八重山は、のどかな離島というイメージが強いが、都会と変わらない葛藤を抱えて暮らす人もまた多いのである。
 「自殺せずに生きていればいいことがある」と思わない人は10.7%、「自殺は自分にはあまり関係ない」と思わない人は49.2%、「生死は最終的に本人の判断に任せるべき」と思う人は39.9%。自殺を現実的な問題として考える人は想像以上に多い。それだけに自殺対策の重要性は増している。
 市が示した自殺実態プロファイル(自殺で亡くなる人の特徴)によると、最多は40代から50代で仕事を持ち、同居者のいる男性とされている。どこにでもいる働き盛りの市民の姿である。

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