【視点】子ども守るシステム機能せず

 千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さん=(当時10)=の夢はパティシエ。亡くなる3カ月前の自分宛ての手紙では、進級への希望を抱き「未来のあなたが見たいです。あきらめないで下さい」とつづっていた。家族みんなにクリスマスプレゼントを用意し、病気がちのいとこを気遣う優しい子だったという。だが、その夢を無残に断ち切ったのは実の父親だった。
 千葉地裁は19日、心愛さんを虐待し死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた父勇一郎被告(42)に懲役16年の判決を言い渡した。
 この事件が異様だったのは、心愛さんが生前、周囲の大人たちに何度もSОSを発していたのに、結局、誰も彼女を救えなかったことだ。

 心愛さんの母は沖縄出身で、一家は2017年7月まで糸満市で暮らしていた。同市は親族から勇一郎被告による心愛さんへの恫喝(どうかつ)と、母親へのドメスティックバイオレンス(DV)の相談を受けたが、恫喝は事実確認できなかったとして、DV情報だけを転居先の野田市に伝えた。
 糸満市の対応を検証する市要保護児童対策地域協議会の島袋裕美会長は「相談から転出までの期間が短く、当事者の聞き取りなど情報を十分に収集できなかったが、虐待疑い事案として記録を引き継ぐべきだった」と指摘した。
 心愛さんは同年11月、野田市の小学校でいじめアンケートに答え「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたりたたかれたりされています。先生、どうにかできませんか」と訴えた。

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