中国武漢から感染が拡大した新型コロナウイルスの影響で観光客が減少している石垣島では、観光業を営む企業への経済的打撃が大きく、4~5月への不安が募っている。修学旅行やクルーズ船のキャンセルでバス、タクシー会社では3~5月分の貸し切り予約がなくなり、レンタカー会社の利用率も例年に比べて3~4割ほど減少している。
東運輸㈱(松原栄松代表取締役社長)では、観光バスの3月の売り上げは前年同期比で8割ほど減少。修学旅行とクルーズ船関連での貸し切りバスの予約が取り消されたのを主な要因に挙げる。
ただ、修学旅行は予約のあった10校中、2校が中止で、ほか8校は延期・未定で、担当者は「オフ期の7、9月にスライドできるよう交渉している」と話した。
同社は昨秋から、滞在日数の短いクルーズ船客から修学旅行客へ取り込みの軸足を移しており、「4~5月はまだまだ厳しい状況。国外から国内に行き先変える修学旅行客の取り込みに活路を見出したい」と希望をつなぐ。
㈱かびら観光交通(伊良皆高司代表取締役社長)では、売り上げは1~2月は1割減に留まったが、3月は2割減、4月は3割減の落ち込みになると見込む。
例年並みだったタクシー、ジャンボタクシー、ハイヤーの3~5月分の予約もほとんどがキャンセルとなり、100万円以上の損失になるという。
伊良皆社長は「今はまだ蓄えで生き残れているが、4~5月に運営資金が足りなくなる可能性が大きく、かなり厳しい」と危ぐした。
新石垣空港周辺のレンタカー会社では2~3月にかけ、3割ほど利用率が減少している。
このうち、オリックスレンタカー新石垣空港ハイビスカス店ではおおよそ、1月は例年並み、2月は2割減、3月は4割減。トヨタレンタカー石垣島空港店は、例年2~3月は1日当たり45~60組だが、今年は30~40組と、3割減の利用率に留まっているという。
オリックスレンタカーの担当者は「例年でも4月には(利用客数が)落ち着く。依然、厳しい状況」と話した。