政府が新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を発令する見通しとなったことを受け、石垣市の中山義隆市長は6日、市役所で緊急記者会見し、観光客に対し、宣言期間中は市への旅行を自粛するよう呼び掛けた。市内の感染症対応病棟が3床しかない現状を訴え「住民、観光客の健康、生命について十分に保証できない状況」と危機感をあらわにした。
石垣空港には東京、大阪など大都市圏からの直行便が運航しており、政府が緊急事態宣言を発令した場合、こうした大都市が対象地域になる可能性が高い。
中山市長は声明文で、大都市での自粛生活を避けるため、多くの観光客が石垣島に避難し、ウイルスが持ち込まれる可能性を懸念。「現下の状況では、ご来島いただいても十分なおもてなしもできず、ご迷惑をお掛けるすることにもなる」と述べた。
島出身者の帰省自粛、無症状者も含めたすべての来島者の14日間の自己隔離も促した。
来島自粛の呼び掛けは、竹富町、与那国町の了解も得た。観光協会や航空業界とも事前に調整し「現時点ではやむを得ない」という回答を得たという。
観光客数の落ち込みや、関連業界の雇用維持に関しては、県、国の支援制度活用を求める考えを示し「業界への影響を最小限にとどめたい」と強調した。
沖縄本島でも感染が拡大しており、住民に対しても「本島への不要不急の旅行や出張は控えてほしい」と求めた。
市は3日には各課に対し、今後2週間の沖縄本島への出張を極力控えるよう求める文書を出した。