「かのや未来創造プログラム―平和の花束2018―」(主催・鹿屋教育委員会)の「平和へのメッセージ」コンテストで、白保中学校(﨑山晃校長)3年の前盛朱琳さん(15)の「平和への教科書として」と題した作文が中学校の部で最優秀賞に選ばれ21日、石垣市教育委員会で報告会を開いた。同作文は前盛さんの祖父・善介さんが戦中、「みのかさ部隊」のメンバーと知り、特攻隊との関わりの中から平和の尊さを語った内容。
平和学習に関心のあった前盛さんは今年6月、「みのかさ部隊」の本を図書館で見つけ、祖父の名前を発見した。前盛さんは、祖母や叔母(おば)の話を通して、祖父の家に沖縄戦の特攻隊第一号、伊舎堂用久中佐が宿泊していたことを知った。
作文では「戦後、日本は生き残った方々の必至の努力のおかげで復興を果たし、活気あふれる国になった」とまとめ、一人ひとりが「平和の教科書」として「先人たちの悲しみや苦しみを語り継がねばならない」と結論付けた。
取材に対し、「(祖父は)雨の日も風の日も、命がけで作業をしていた。祖父がやっていたと聞いてすごいなと思った」と亡くなった祖父への思いを述べた。
「みのかさ部隊」は、1944年に召集され、正式名称は五〇六特設警備工兵隊。米英機の爆撃の合間をぬって、命懸けで弾痕だらけの滑走路を補修した。
同コンテストの応募総数は3290点。中学生の部は1656点あった。