県内の新型コロナウイルス感染は8日も引き続き拡大し、新たに5人の感染が確認された。県内の感染者数は計39人に増加したが、県によると医療機関の感染症対応病床は45床ほどで、既に35人が入院。医療現場の逼迫(ひっぱく)やスタッフの疲弊も懸念される。県職員の感染は3人目となり、防疫対策の中枢である県庁で感染が広がった実態も明らかになった。
医療体制の確保に関しては、県は宿泊施設などに軽症者を移動させ、対応する予定で調整を続けている。
玉城デニー知事は会見で「医療の確保が喫緊の課題。従来の感染症病床だけでは対応できないため、指定医療機関における対応病床の増、協力医療機関における患者受け入れ、軽症者を自宅や宿泊施設で療養していただく等の医療体制を早急に整備する」と述べた。
新たに感染が確認された中部保健所管内在住の20代男性は新規採用県職員で、3日に感染が確認された新規採用県職員の濃厚接触者。共に1日の辞令交付式に出席しており、出先機関に移動する車の中で感染が広がった可能性がある。
車は8人乗りだったが、他の濃厚接触者の6人に症状は出ていない。また、業務で県民との接触はないという。
その他の感染者は、那覇市在住の30代女性、豊見城市在住の50代女性、沖縄市在住の30代と50代の男性。沖縄市在住の30代男性は東京渡航歴があるが、他の3人の感染経路は分かっていない。県は「市中感染が起きている」と見ている。
県が3月にイベント自粛を解除し、その後に再び自粛に転じた判断が適切だったか問われ、玉城知事は「(新型コロナウイルス感染者の)発生や拡大の食い止めはできていたと思う」と述べ、問題はないとの認識を示した。