石垣市で初めて新型コロナウイルスの感染が確認された2人が入院する県立八重山病院に、市民から電話による問い合わせが相次いでいる。自分も感染していないかどうかを確かめたり、感染者の個人情報を聞き出そうとしたりする内容。病院職員が対応に追われて医療行為に差し障りの出る可能性があり、県は電話を控えるよう市民に呼び掛けている。
「熱やせきの症状があるのだが、うつったのではないか」
石垣市での感染確認が発表された日の翌日の14日、八重山病院に自分の感染の有無を照会する市民からの電話が多く寄せられた。
「入院している2人は誰か」「感染経路を教えてほしい」と感染者情報を探る内容もあった。電話が相次ぎ、かかりにくい時間帯もあったという。
「問い合わせがこれ以上増えれば病院職員が忙殺され、本来の業務がおろそかになる可能性がある」(県地域保健課)と懸念している。
一方、一般外来の受診希望者は通常より少なめだったという。感染者への接近を控えたい心理が働いたと見られる。
同課は「症状はまずかかりつけ医に確認してほしい。患者の個人情報を病院が明かすこともない。病院の本来の機能を損ねないよう問い合わせは避けてほしい」と話している。