石垣市の中山義隆市長は16日夜、市役所で記者会見し、市内で確認された3人目の新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者が「数十人から百人以上に上る可能性が高い」として、市の緊急事態を宣言した。市内で無症状者を含め多数の感染者が存在する可能性に言及し、全市民に17日から2週間の外出自粛、感染者との接触者に対しては、最後に接触した日から2週間の外出禁止を要請した。現状に関し「島全体の命を守る上で大変厳しい状況。それくらい危機的だ」と強調した。
緊急事態宣言の期間は、17日から2週間としている。石垣市で3人目に感染が確認された20代男性は美崎町のバー「ヘイランド」「ヘイナイト」関係者で、1日に発症した。市によると、体調が悪化して14日にPCR検査を受けるまで複数回、市内の飲食店などで会食していたことが、同席した複数の人から確認できたという。
中山市長は、この男性が「スーパースプレッダー(感染拡大源)になることも想定される」と指摘。島内で二次感染者が多数発生した場合は医療崩壊を招き「市民の生命・健康に大きな危険が及ぶ可能性がある」と危惧した。
この男性との接触歴がある人には、17日午後をめどに設置する相談外来に連絡することも求めた。連絡先は今後公表する。
密閉・密集・密接の「3密」回避、手洗い・うがい、マスク着用、ドアノブやトイレなどの共有部分の消毒なども改めて呼び掛けた。
市の外出自粛要請を受け、子どもを認定こども園や保育所などへ登園させることを自粛した保護者に対しては、日割りで保育料と給食費を返還する方針も発表した。
県は、感染が確認された男性について、13日に感染が確認されたバー従業員の同僚と発表している。