玉城デニー知事は20日、県庁で記者会見し、県内で新型コロナウイルス感染の増加傾向に歯止めが掛からない現状を踏まえ「まさに今が拡大を食い止める瀬戸際だ」と述べ、県独自の緊急事態宣言を発表した。離島は医療体制が脆弱(ぜいじゃく)なため、本島―離島間や離島相互の往来もやめるよう求めた。政府に対し、特に重点的な対策を進める「特定警戒都道府県」への指定を求める方針も明らかにした。
宣言では、今後患者がさらに増加した場合に備えて「重症度に応じて入院する医療機関や、宿泊施設を調整する」などと明記した。人との距離が取れない繁華街への立ち入りや会合、会食を避けることを県民に求めるとともに、飲食店への緊急支援金を検討する方針も示した。
県内では同日までに、計121人の感染が確認され、計3人の死者が出た。4月上旬から感染者が増加し続け、13日時点の計72人から1週間で約1.7倍に膨らんだ。玉城氏は「医療をつぶさない行動が極めて重要だ」と強調した。
離島の医療体制を維持し住民の命を守る必要があるとし「船舶運航事業は、離島航路の減便を検討してほしい」と求めた。
県民一人ひとりが接触機会を8割減らし、活動を5分の1に減らすことを要請。「みんなで未来を変えよう!沖縄5分の1アクション」と銘打った。リモートワーク、分散出勤、会議、生活必需品の買い出しなどの回数削減を提案した。
特定警戒都道府県の指定を受けることで①不足する医療資器材の優先確保②医療提供体制への支援③一層の感染拡大防止策の推進ーを国に求めやすくなる。
県内中小・小規模事業者が事業全般に活用できる給付金の支給を検討。営業する店舗には勤務日数の制限やテレワークの実施、会議時間の短縮、混雑防止のための入店コントロールなどを要望する。
玉城知事は「県民が力を合わせ、支え合えば流行は必ず抑え込める」と述べ、協力を呼び掛けた。