県は28日、県内で石垣市の20代男性を含む4人の新型コロナウイルス感染が確認され、感染者が計141人になったと発表した。石垣市で感染者が確認されるのは4人目。男性は市内で既に感染が確認されている男性2人の勤務関係先のバーを5日に利用しており、感染者の接触者と見られている。
28日に感染が確認された男性は14日に発症し、検査を受けたが、その時点では陽性反応が出なかった。25日に再び検査を受け、陽性が確認された。検体採取は県立八重山病院で行われ、男性は石垣市が設置した新型コロナウイルスの相談外来は利用していないという。
男性の14日から25日までの行動歴、感染経路、濃厚接触者の情報などについて八重山保健所は「調査中」としている。
新型コロナウイルスに感染した従業員ら2人の勤務関係先のバーは、美崎町の「ヘイランド」と系列店の「ヘイナイト」であることが公表されている。この店舗に関連した感染者は計3人となった。
同保健所は、28日に感染が確認された男性がどの店を利用したかは明らかにしていない。感染した従業員ら2人が男性を接客したかも確認中としている。現時点でクラスター(感染者集団)が発生した可能性は低いとの認識を示している。
同保健所は、バー従業員らの感染が判明した際、濃厚接触者の割り出しを進め、接触者たちの2週間の健康観察もほぼ終了した。ただ、新たに感染が確認された男性の存在は把握していなかった。
男性は八重山病院に入院し、重症ではないという。感染者は全員、八重山病院に入院中となったが、県保健医療部の糸数公統括監は28日の記者会見で、同病院で対応が可能な病床数は残り3床と発表した。重症、中等症、軽症対応の病床がそれぞれ1床ずつ準備されているという。
石垣市の相談外来は、検体採取を26日まで行った。糸数氏は同日以降に「石垣市で検査を受けた人の情報はない」と述べた。
中山義隆市長は同日の記者会見で、改めて観光客の来島自粛を要請。市民には「ゴールデンウィークに入るが、行動を自粛し、感染防止策に取り組んでほしい」と求めた。