新型コロナウイルスの感染が拡大する中、29日、ゴールデンウィーク(GW)が本格化した。玉城デニー知事や中山義隆市長は来県や来島の自粛を呼び掛けており、新石垣空港(南ぬ島石垣空港)は閑散とした雰囲気だった。
午後7時台に空港に到着した那覇線からは50人近い乗客が降り立った。前日の同便は10人前後で、GWの本格化に合わせて搭乗者が増えたと見られる。
石垣市出身で那覇市在住の20代の男性は「帰省で来た。人との接触を減らし、迷惑を掛けないようにしたい」と話した。
石垣空港発着の国内航空路線は1日往復69便が運航しているが、感染拡大で段階的に減便を重ね、現在は本土直行便は全て運休。那覇、宮古、与那国線の県内16便に限られている。
県内の感染者数は29日現在で141人。石垣市では4人の感染が確認されている。県内の1日当たりの新たな感染確認数は減少傾向にあり、県は観光客数の減少や県民の行動自粛などで「感染拡大のペースが鈍化した」と見ている。
ただ、GWに大勢の観光客などが沖縄を訪れれば、再び感染拡大のペースが増加しかねず、とりわけ医療体制が脆弱な離島は警戒感を強める。
大都市圏から沖縄への直行便はキャンセルが相次いでいるが、航空会社のGW予約数は27日現在で約1万5千人、石垣市の宿泊施設の予約数は23日現在で延べ約1300人。依然、多数の観光客が来島する可能性がある。
島内観光地の観光施設は軒並み休業し、観光客に対応しない。5月1日から6日間は石垣島と竹富町の島々を結ぶ定期便も運休し、観光客が他の島へ渡航することもできない。