ガス会社「りゅうせきエネプロ」八重山支店管内(石垣市、竹富町)の4月(5月検針)の業務用ガス使用量が大幅に減り、家庭用ガス使用量を下回る「逆転現象」の起きたことが支店の調べで分かった。新型コロナウイルス感染の広がりで契約相手の事業所が相次いで休業したのが理由で逆転現象は初めてだという。
支店管内の4月の業務用使用量は52㌧で家庭用の59㌧を下回った。家庭用の減少幅が比較的小さかったのに比べ、業務用は75㌧だった3月から23㌧落ち込み、逆転現象につながった。
通常なら業務用は月70~80㌧台を保つ。家庭用は40~60㌧台にとどまり、常に業務用が上回っていた。
業務用の減少は宿泊、飲食など観光関連産業が感染拡大で相次いで休業し、ガス需要が伸び悩んだことが理由に挙げられている。家庭用のマイナスが少ないのは外出自粛で家にいることが多く、ガス使用が一定程度促されたためと見られる。
支店は「逆転現象は前代未聞で、コロナの影響の大きさを痛感している」と話す。
業務、家庭用を含めた全体の使用量も3月分が前年同月比12%減、4月分が11%減と落ち込んだ。家庭用の比率の高い先島ガス(石垣市)も4月は8%減となっている。