沖縄ホンダ(小林久夫社長)は19日午後、県と那覇市に新型コロナウイルス感染症の軽症者を搬送する専用車を無償提供した。同社が販売する7人乗りのワゴン車「HONDAステップワゴン」を改造した特殊車両で、約6カ月貸与される予定。車内の運転席と後部座席の間に特注のアルミ製仕切り板を設置し、新型コロナ患者の搬送時、運転手が感染するリスクを低減する。県と那覇市には複数台が貸与される予定。
貸与は、今年3月に那覇市と県内自動車販売会社4社が結んだ災害時応援協定に基づき実施された。
仕切り板による隔壁で、前後席の間には圧力差が生まれる。患者が座る後部座席が減圧状態であるため、運転席側にウイルスが侵入する可能性を低減できる。また、車のエアコン機能により、車内の空気は社外に排出される。
貸与式で、小林社長は「新型コロナ感染拡大防止の第一線で苦労する医療従事者や関係者のお役に立てれば」と述べ、謝花喜一郎副知事は「車両の提供は大変心強い。感謝申し上げる」とあいさつした。
那覇市の城間幹子市長は、県内患者の4割強が那覇市民だと説明。感染の第2波・第3波の発生を懸念し「車両の無償貸与はありがたい。お力添えに感謝したい」と話した。