全国知事会は20日、新型コロナウイルスの対策本部会合をテレビ会議方式で開き、政府に対する緊急提言をまとめた。緊急事態宣言が続く首都圏4都県、近畿3府県はそれぞれ経済・社会面の密接な関係があるとして、解除の可否は圏域の一体性に十分配慮して検討するよう要請。自治体向けの臨時交付金は最低でも総額3兆円とするよう増額を求めている。
政府は8都道府県に出している緊急事態宣言の解除の可否を21日に判断する。知事会の提言は、首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)、近畿(京都、大阪、兵庫)とも「都道府県を越えた経済・社会面の密接な関係があり、一部を解除しても人の移動を引き起こして再び感染が拡大しかねない」としている。
交付金は、政府の2020年度第1次補正予算で1兆円を確保した。ただ、提言は「リーマン・ショックを超える社会経済への影響に鑑みると、さらなる増額が必要」と指摘。都道府県が交付金の活用を検討している具体策として、学校の空調、災害時の避難所体制整備、医療機関支援や雇用確保、観光地再建など約150事業を挙げた。道路などのインフラ整備による地域経済活性化も必要だとしている。
ほかに提言では、全国の緊急事態宣言解除を見据え、観光誘客の促進策など経済活動の回復に向けた見通しと戦略を示すことも求めている。
玉城デニー知事は「休業を要請しなかった事業者にも十分な支援を行えるよう国に求めたい。当面は水際対策が重要で、全国全ての空港にサーモグラフィーを導入するなど徹底してほしい。観光立県として安心安全な観光地を構築するため、しっかりと準備していく」と発言した。
会合には40人を超える知事が参加した。