新川字会の金城文雄会長は28日、8月8~9日に予定されている今年の豊年祭について、新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小して神事を中心に開催し、奉納芸能や祝典などは中止すると明らかにした。新川字会が石垣、登野城、大川の各字を招待する2日目のムラプールについても、今年は招待を取りやめ、新川単独で開催する。新川字会によると、4カ字の豊年祭で奉納芸能などが中止になるのは77年ぶり。八重山最大の伝統行事も新型コロナの直撃を受ける形になった。
新川字会によると、過去には1943年、ムラプールが新川と他の3字合同で別個に開催されたことがあり、その際に奉納芸能などを中止した。このほか、台風でムラプールが延期された事例がある。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、新川字会は今年の豊年祭について「夏の観光シーズンに当たり、県内外から大勢の観光客が押し寄せることで『3密(密閉、密集、密接)』が懸念される」と判断。初日に各字が個別に開催するオンプール、2日目のムラプールとも神事を中心とした祭りに縮小する方針を固めた。
参加者は関係者を中心に少人数に制限。例年の祝典、旗頭、巻き踊り奉納、五穀の種子授けの儀、アシャー綱、ツナヌミン、綱引きなどは中止する。
金城会長が27日、登野城字会の新城浩健会長、石垣字会の森永用朗会長、大川字会の宮良長欣会長と協議し、豊年祭の規模縮小を確認した。
金城会長は「これまで豊年祭に関わった人たちや、今年の豊年祭で名誉ある役職を担うことになっている人たちなどの思いを考えると、痛恨の極み。何回も役員会を重ね、長老や歴代会長の意見も聞き、やむを得ないという判断に至った」と話した。