交通事故にもコロナにも気をつけて―。石垣市総合体育館の裏手のシードー線沿いで安全運転を見守る「交通安全ぱいーぐる像」にマスクが着用されて1か月半が経つ。来月1日には市緊急事態宣言が解除されるが、第2波、第3波も心配されている。交通事故のない社会と新型コロナウイルスの終息を願う同ぱいーぐる像から、マスクが取り払われるのはいつになるのか。
同ぱいーぐる像にマスクが着用されたのは4月中旬。同13日に八重山で感染者が初めて確認されたことを受け、衣服のサイズ直しなどを行う「ソーイングハッピー」=平得=の小濵一美(ひとみ)店長(63)が「皆でコロナに気をつけよう」との思いを、行動に移した。
「怒られるかもしれないと思いつつ、コロナに負けない、コロナに気をつけようと呼び掛けるつもりで作った」と打ち明ける。
測ってみると、嘴(くちばし)の長さは19・5㌢。引き出しに眠っていた紺のチェック模様の枕カバーを活用し、20㌢の型紙で1枚目を作製。幅が少し足りなかったが着用させた。
やはり気になっていたため、3日後、黄色の布で幅の長さを調整した2枚目を作製した。これがぴったりフィット。現在に至っている。
「元々風邪なんか引かない体質だけど、コロナだけは気をつけている。緊急事態宣言が解除されれば取り外そうと思っていたが、状況を見ながら決めたい」と話した。
市内には現在3体の交通安全ぱいーぐる像があるが、ボランティアで全てを製作した安里隆さん(76)=真栄里=は「ありがたい限り。置物でもコロナにかかるかも知れない」と感謝し、「市民のためにぱいーぐる像も事故とコロナに気をつけてと見守っているはず」とうれしそうに話した。