八重山3市町は1日、新型コロナウイルス感染拡大で観光客に求めていた来島自粛要請を解き、受け入れを解禁する。休業していた石垣市内のホテルでは営業再開に向けて準備が進む。1日時点では石垣空港と本土を結ぶ空の直行便の運航が再開されず、観光客の来訪も当面は少数にとどまり、地元観光の本格復活は先になりそうだ。
ホテル「フサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ」(新川)は1日の営業再開に向けて館内の消毒作業を行っている。客の宿泊中の検温やチェックアウト3日後の健康確認などの感染予防策を盛り込んだ協定を市と結び、予防に取り組む。
ホテルの話では、6月の宿泊予約はいつもの年の1割に満たない。塩田和巳総支配人は「本格的な再スタートとは言えないが、感染予防に万全を期し、安全安心な宿泊環境を整えたい」と話す。
石垣―本土の直行便は全日空が5日に東京(羽田)線を再開するまで運休が続く。日本トランスオーシャン航空は18日に石垣―東京(羽田)線の運航を再び始める。
市は1日に川平風致公園など市管理の11カ所の観光地の封鎖を解除するが、客の来訪が十分には見込めないと、営業再開に二の足を踏む観光業者が少なくない。
川平公園で飲食店と土産店を営む「カビラガーデン」は4月中旬から休業中で、山内昌一郎社長(41)は再開のめどについて「6月は様子見。客の戻り次第で決める」と語っている。