政府が国民1人10万円を給付する特別定額給付金の申請受け付けが石垣市で本格化している。今週に入り、市役所には2日間で約1万件の申請書が届き、職員のチームが港湾ターミナルで1件ずつ処理作業を進めている。入金は処理後約1週間。市によると、申請書の約1割に添付書類などの不備があり「どう書いていいのか分からない」という問い合わせも多い。市は6、7日の両日、市役所に臨時相談窓口を設置し、問い合わせの対応に当たることにしている。
申請書は5月末までに各世帯に届き、郵送で今月から続々と提出され始めた。5月末までに約800件、1日は約5500件、2日は約4600件が到着した。
市は、他の業務との兼任で申請書の処理に当たる正職員5人と、専任で処理に当たる会計年度任用職員7人で特別定額給付金支援班を設置。従来業務を行っていた市役所内のプレハブでは手狭になったため、申請書の受け付けが本格化した1日から、港湾ターミナルに事務所を移した。
職員たちは申請書を1件ずつ確認し、必要事項をパソコンに入力する。2日までに約2500件の処理を終えており、今後、職員たちが作業に慣れることでスピードアップが図られる見込みという。ただ、殺到する申請数に処理作業が追い付かず、職員が深夜まで残業することもある。
書類の不備は、必要な書類が添付されていないか、入金先として誤って世帯主以外の口座を指定したケースのいずれかが目立つ。不備が見つかった申請書は、不備の内容を指摘する書類をつけて返送し、該当部分を書き直してもらう。基本的に、申請書の再発行には応じていない。
オンラインによる申請は約1千件あり、申請書はそれらの世帯を除く約1万4000世帯に郵送された。入金総額は約50億円。
同班の棚原輝幸班長(41)は「これから1~2週間が作業のピークだと思う。1日1件でも多く処理をこなし、新型コロナウイルスで困っている市民に、1日も早く10万円を届けたい」と話した。