新型コロナウイルス感染拡大で遠のいた客足を取り戻そうと、石垣市の複数の飲食店が「半額セール」を打ち出している。観光客受け入れ解禁を受けて営業再開に踏み切り、「客を取り込んで再スタートに弾みをつけたい」と意気込んでいる。
大川の居酒屋「あだん亭」は「5・6・7(コロナ)に負けるな」と語呂合わせで5、6、7日の3日間、飲み物、食べ物の全品を5割引きにする。その他の日も10日までは2割オフだ。
「自粛疲れの島民を元気づけたかった」と店主の砂川吉信さん(70)。4月中旬に休業し、観光客の受け入れが再開された今月1日に再オープンした。「休業中の損失を少しでも挽回したい」と経営上の理由も明かす。
石垣空港発着の本土直行便は運航が6月中旬まで本格化せず、期間中は基本的に地元住民を対象にする。
特選カルビや厚切りタンなど30品目近い単品メニューとランチメニューを50%引きで出すのは焼き肉店「石垣島きたうち牧場」だ。浜崎本店(浜崎町)と美崎店(美崎町)で6月末まで展開する。
浜崎本店の前畑辰也店長は「勤め先が休業して収入の減った島民も多く、安く提供していっぱい食べてほしかった。来店を促して売り上げも上げたい」と語る。
居酒屋「ひとし」も本店(新栄町)と石敢當店(大川)で「石垣牛の握り」(7日まで)と「マグロ寿司セット」(30日まで)を半値で売り出す。
観光客受け入れ再開を機に休業を解いて再スタートした。本店の仲間由樹店長(34)は「客の確保のほか、食材を在庫をためずに新鮮なうちに提供するのが目的」と述べる。
市内で居酒屋4店を営む「てっぺんグループ」も10日まで石垣牛料理全品を半値で注文を受ける。