猫の目。猫の瞳が明るさで形がよく変わることから、くるくると変化することのたとえに使われる。猫の目打線。猫の目農政。方針が定まらない負のニュアンスが強い◆雇用調整助成金。新型コロナウイルスで経営の苦しくなった事業者が休職扱いにした従業員の給料を国が補う制度だ。解雇を避ける命綱として全国の経営者から申請が殺到している◆〈5月1日・特例措置の実施〉〈6日・手続きの簡素化〉〈19日・手続きの大幅簡素化〉。厚生労働省のホームページを見ると、矢継ぎ早に基準の変更が打ち出されている◆これが申請者泣かせになった。変更が目まぐるしく、申請書を整えたと思ったら基準が変わり、一からやり直し。ただでさえ書類が多くて手続きが面倒なのに頻繁な基準変更で煩わしさが増した◆5分の2。県内の申請全体に占める給付決定の割合だ。給付にたどり着く比率の低さは手続きの煩雑さと無縁ではない。基準変更は給付率の拡充など申請者に利点のある内容だ。その良さが「猫の目基準」でスポイルされている。(I)